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つまり内部に競争原理を持ち込み、たとえ小さなクルマでも利益を生み出すことができるという、それまでのトヨタに欠けていたものを引き出したのである。 ヴィッツは日本国内でトヨタの〃おじさんグルマ〃のイメージを打破し、ヤリスは欧州戦略への核弾頭となった。
「国内販売シェア四○%の奪回を」業界のトップ.トヨタの社長がああまでシェアを口にするのは販売競争を煽るだけではないかとの、他メーカーからの批判の声をよそに、O社長は激を飛ばした。 その発言の背景には、国内全需の読み誤り(右肩上がりからの転換)、時代を先取りするクルマの開発の遅れ、国内雇用の確保維持への危機感などがあった。

とりわけ、トヨタ車からの若者離れをどう食い止めるかが最大の懸案事項であった。 そういう意味でも、O体制での「シェア四○%奪回」宣言はトヨタにとっては大きな旗印となり、系列メーカーや販売店が一体化することで、古いトヨタのイメージを刷新するという成果に結び付いた。
一方、海外進出の遅れについても、懸案事項であった最後の巨大市場中国へ、「バスに乗り遅れるな」をかけ声に、グループのダイハツ工業を足がかりに一気に進出を決めてしまった。 九六年に中国で乗用車エンジンの合弁会社を設立し、あっという間に出遅れを取り戻してしまったのである。
率直な物言いをするO語録は数々ある。 「これからのトヨタは、何も変えないことが最も悪いことだと思ってほしい」「安穏としていては、常にスピードが要求されるグローバル大競争に勝ち残れない」「経営者たるもの、経営不振を招いたらまず自分の首を切れ」「冷徹な市場経済ではなく、人間の顔をした市場経済を作っていくべきだ」O語録は、トヨタ自動車社長から会長となり、かつ財界代表としての日経連会長の立場に移っている。
「トヨタ自動車の日常的な仕事は社長に預けた。 今後はグループ全体がより強力となり、世界の列強に伍していけるよう、大所高所から必要な戦略を練って判断していく」そうは言いながら、二○○一年の年初にはトヨタ幹部に向け、「打倒トヨタの発想を持て。
最大の敵は内なる慢心だ」と激を飛ばしている。 常に危機感を内在させるOイズムの真骨頂がそこにあった。
一九九九年六月、O体制はC体制に移行した。 「Oさんは大変明快に経営の方向を打ち出してスピード決定するので、おかげで会社が伸び伸びとやっていけるようになった。
私もこの路線をしっかりと踏襲していく」C社長は就任会見で、変革路線を今後とも担っていくことを表明した。 社内分社化のVVCを社長直轄で発足させ、F1参戦を決めるなど、トヨタ変革の旗振りとしてその流れを創ったのがO体制なら、富士スピードウェイ買収、ヤマハ発動機への資本参加など、若者の取り込みを行ってトヨタの改革整備を推進しているのがC体制である。

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